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内臓癌を反映する皮膚病

皮膚科クリニックに来られる患者さんの90%までは、湿疹、かぶれ、水虫などの局所だけの皮膚病ですが、残る10%は全身疾患、内臓病変を伴っている場合があります。

皮膚病と内臓疾患、がんとの関係は次のような特徴があります。

(1)皮膚病変そのものががんであるとき。
(2)現在の皮膚病変は癌ではないが、数年後にその中からがんがでる可能性があるもの。
(3)皮膚病そのものは単なる紅班にしか見えないのに、その分布や形の特徴で、内臓病変や内臓がんの存在が推測できるもの。

(1)(2)の場合も重要な事柄ですが、問題は(3)の場合で、長年の間見過ごされてきている例がみられます。
このように内臓の何らかの病変を反映する皮膚症状のことを、われわれ皮膚科医は「デルマドローム」と呼んでいます。
デルマドロームについては、日常の診療でとりおき次のような経験をすることがあります。

●指先の爪の変化を見て、貧血や膠原病などの自己免疫疾患が隠れていることがわかる。
●手足のゴワゴワした発赤をみて、食道がんの存在がわかる。
●手のひらの丸い班をみて梅毒の存在を推測する。
●背中の老人イボが半年以内で急速に多発するのをみて、胃がんの存在が推測できる。
●くちびるのホクロをみて、小腸や大腸内の将来がんになりうるポリープの存在が予測できる。

これらは日常診療上の内臓疾患の発見のきっかけのごく一部の例で、ほかにもこのような内臓病発見のきっかけは多くみられます。
いったいどのような内臓病が見つかるでしょうか。

(1)悪性腫瘍(胃がん、肺がん、大腸がん、肝臓がん、子宮や卵巣のがんなど)
(2)糖尿病
(3)肝硬変、B型肝炎、C型肝炎
(4)膠原病(エリテマトーデス、皮膚筋炎、強皮症など)
(5)消化器疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)
(6)血管、血液の病気(種々の紫班病、悪性リンパ病、白血病)
(7)内分泌疾患(甲状腺)
(8)代謝障害(ビタミン、ニコチン酸、亜鉛の欠乏症や過剰症)

われわれがふだん遭遇する湿疹、じんましん、みずむし、虫さされなどの一般的な皮ふ病は、つけ薬、飲み薬などの治療に、良くも悪くも反応するものなのです。
ところが、デルマドロームの皮膚病変は、これらの治療への反応がないか鋭いかです。
これらの皮膚病は、内臓の病変の方ばかり向いているからです。
もし普通の治療に反応しない働きの鋭い固定した皮膚病である場合は、念のため診断確定のため、皮膚科にかかってみましょう。